8月16日、宮古島の長山港には、何事も無かったように海保の巡視船が6隻停泊していた
8月16日宮古島の長山港には、何事も無かったように海保の巡視船が6隻停泊していた

8月16日尖閣諸島に中国の大船団は現れなかった。

東シナ海での漁業が解禁となる16日、数百隻の漁船を尖閣諸島に送り込むと日本政府に予告していた中国。「中国漁船の航行を制止するよう要求する資格は、日本にはない」(8月2日産経新聞)などと挑発し、中国海警の軍艦クラスを筆頭とした大船団とともに、日本の領海を侵犯すると見られていた。

しかし、急転直下。8月15日17時22分、共同通信社はこう報じた。

『尖閣30カイリへ進入禁止、中国 休漁明け漁船に、摩擦回避か

(前略)中国が設けた休漁期間が16日に明けるのを前に、東シナ海沿岸の福建、浙江両省の地元当局が漁民に対し「釣魚島(尖閣の中国名)周辺30カイリ(約56キロ)への進入禁止」など、尖閣への接近を禁じる指示をしていた』

尖閣諸島の領海まで約140キロ、高速の巡視船なら三時間に位置する宮古島・長山港沖の海上で、シーカヤックに乗り、海保の出動を撮影するため待機していたフォトジャーナリストの柿谷哲也氏は、数日前から異変を感じていた。

柿谷氏の予測だと「宮古島配備の中国漁船対応の180トンクラス巡視艇が尖閣に出撃。漁船対応部隊の9隻のうち三隻が一本棒の隊列となって出港」であったが、その気配が一切感じられなかったのである。

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